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経鼻内視鏡検査とは
先端に小さなCCDカメラの付いた細くて軟らかい経鼻内視鏡を鼻から挿入し、食道、胃、十二指腸を調べる検査です。口から挿入する内視鏡と違い、吐き気をひきおこす原因となるのどの奥にある舌のつけ根に触れないため、吐き気をほとんど感じません。
このため鎮静剤を使用する必要がなく、お身体にかかる負担も少ないため、検査後はすぐ日常生活に戻れます。
どうぞ気持ちを楽にして検査をお受けください。
経鼻内視鏡検査のメリット
【つらさを感じにくい】
- 挿入時のつらさを感じにくい
- 吐き気や息苦しさが少ない
- 心拍数・血圧の変動が少ない
【検査中に会話ができる】
- 検査中に医師と同じモニター画像を見ることができる
- 説明を受けながら、ご不明な点や疑問に思われる事があった場合は、その場で医師に質問して確認することができる(医師・スタッフがその都度ご説明します)
【すぐに日常生活に戻れる】
- 車の運転・仕事・家事などがすぐに可能
- 45~60分後には飲食が可能
検査前の注意点
【検査の前日】
- 夕食は午後9時頃までに済ませてください。
- アルコールは控えめに。
- 早めに就寝しましょう。
【検査当日の朝】
- 朝食は摂らないでください。
- 歯磨き、少量の飲水は結構です。
- ガードルやコルセットをつけている場合、検査前に外しておきましょう。
- 毎朝、定期的に内服されているお薬がある方は、医師や看護スタッフにご確認ください。
検査の流れ
受付・問診 |
来院予定時間の5分前には当院に着くようにし、受付を済ませます。(遅れる場合にはご連絡ください)
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前処置 |
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内視鏡挿入 |
鼻から内視鏡を挿入し、十分に観察します。 |
検査後 |
医師より検査結果や治療についての話を聞きます。 |
注意事項
- 経鼻内視鏡を受けられた方は、当日、鼻を強くかむことはお避けください。(鼻血がでることがあります)
- 分からないことがありましたら、遠慮なく医師やスタッフにお尋ねください。
- 帰宅後、痛みが強かったり、黒い便が出たりしたら、連絡するか、ご来院ください。
- 次回来院の指示がありましたら、ご来院ください。
- 従来の経口内視鏡にも対応しております。初めからお口からでの検査をご希望の際には、検査予約時に医師やスタッフへお申し出ください。
胃の検査について
なぜ40歳を過ぎたら胃や大腸の検査が必要になるのですか?
日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医として誤解をおそれず申し上げるのならば、40歳以降はいわゆる「がん年齢」だと思います。これだけ医療が進んできても末期がんやかなり進行したがんは治療できないものも多いのです。やはり早期発見、早期治療が大事です。
また早期がんは自覚症状がほとんどゼロなのです。痛みだとか体重が減るといったような症状がほとんどないので、ご自身では検査しないかぎりほとんど気がつかないんですね。
胃や大腸などの早期がんであれば、内視鏡手術などの患者様への負担の少ない手術でアプローチすることができます。入院も数日で済むし、きちんと治療できるんです。
しかし、病状が進行してしまうとおなかを大きく切ることになりますし、再発の可能性があったり、入院期間が長かったりと患者様への負担が増えてしまいます。
そういった事を考えると先ほど申し上げたように、早期発見が重要な点からも「がん年齢」に達した人には検査をご案内しています。
会社の定期健診を受けていても必要になりますか?
会社にお勤めの方なら集団健診でバリウム検査を受けることもあるかと思います。集団健診におけるバリウム検査は、病気の拾い上げという点では有効な手段です。しかし、「健診でひっかかって二次検査で胃カメラをやったが異常なし」という経験をされた方もいるのではないでしょうか。
バリウム検査は胃の中の病気を間接的にレントゲンで見ていますので、微小な病気などはどうしても判断がつきにくい場合があるんですね。また、粘膜の色調の変化などはバリウムの検査では判断ができません。したがって、どうしても先ほど申し上げたようなことが起こりうるわけです。
その点、内視鏡検査であれば、直接胃の中を観察して検査しますし、必要に応じて直接細胞を採取する検査(生検)もできるため、しっかりと診断ができるんですね。同様のことが大腸の場合にもいえます。
日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医によって施行された内視鏡検査であれば、早期のがんでも1回の検査の正診率があがるともいわれていますので、そういうことから考えても、少なくとも何らかの症状があるのであれば、私はバリウム検査よりも内視鏡の検査をご案内しています。
検査はどの程度の頻度で受けたら良いのですか?
定期検査ということであれば1、2年に1回で良いかと思います。
一方で、食道静脈瘤などの活動性の病気や、治療中の病気で厳密な経過観察が必要な場合では半年に1回、3カ月に1回等、主治医の指示に従ってするべきだと思います。
当院では胃カメラの場合、経鼻内視鏡といって鼻の穴を通す内視鏡を主に使用しています。舌の奥、吐き気を感じる部分をよける事で嘔吐感を減らすことができるんです。
なお定期検査であれば、誕生月など覚えやすい時期に、手術後のフォローアップであれば、手術された月などに検査を受けていただければ、きちんと検査を受けられるようになり良いのではないでしょうか。
時間としてはどのくらいかかるのでしょうか。
経鼻内視鏡の場合、局所麻酔の時間等を考慮しても、特別なことがなければ来院されてから検査してお帰りになるまで、だいたい45分くらいだと思います。
何らかの病気の疑いがあったような場合は、胃の組織を採取したり、その説明等で長くなる可能性はありますが、二次検査等で来ていただいてもまず1時間くらいでお帰りいただけると思います。
つまり、口からの胃カメラの場合は鎮静剤(睡眠薬)を使う事も多いのですが、鼻からの場合はまず鎮静剤を使わずにすみますので、検査後に鎮静剤がさめるまで安静をとらなくても良いのです。
経鼻内視鏡ですと嘔吐感が少ないと思います。
当院では朝8時頃に来ていただいて、局所麻酔、検査、検査後のご説明を行い、9時頃にはお帰りいただけるように、検査時間を配慮しています。
ですので、上部内視鏡(胃カメラ)の検査を受けられても、これまでのように午前中一杯、お仕事などを休む必要はなくなると思います。
なお、上部内視鏡(胃カメラ)は、健診の二次検査や何らかの症状があり、医師が必要と認めて検査を行うのであれば健康保険が適用されます。
胃カメラで検査できることは?
上部内視鏡検査(胃カメラ)で診断可能なものはたくさんあります。
具体的なものを挙げるなら、
- 胃がん、胃MALTリンパ腫、食道がんなどの悪性腫瘍
- 胃、十二指腸潰瘍
- 食道静脈瘤
- 逆流性食道炎
- 胃ポリープ、胃炎などの良性胃粘膜疾患
などがあります。
よく耳にするピロリ菌とは、どのような菌なのでしょうか?
胃の中で生育して慢性的な炎症を起こす原因となっている菌です。
さらには、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や、胃炎、胃がんの発生にも強い関与が示唆されています。これらは主に経口感染により成立し、日本では年齢と共に感染している人が増えていきます。40歳以上では多くの方が感染しているといわれています。
なお、内視鏡検査時にピロリ菌の感染が疑われる場合には、内視鏡検査と同時にピロリ菌感染の有無を調べることができます。さらに、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のある方で、ピロリ菌の感染がみられる場合には、ピロリ菌に対する除菌対策も行うことができ、健康保険も適用されます。
今まで男性の立場から聞いてきましたけれども、女性も同じですか?
同じです。
女性も男性同様に、40代になったらがん等のリスクが増えてきます。
できればご夫婦一緒に来てもらって、ご心配な部分がありましたら何でもご相談いただけると良いですね。